ブログ トドの昼寝

札幌爺のたわごと

2021-01-01から1年間の記事一覧

『暁の宇品』大佛次郎賞受賞!

堀川惠子の『暁の宇品』が大佛次郎賞に決まった。「暁の」でピンとくる人はそう多くないはずだ。私がこの言葉を耳にしたのは札幌である。ベーコン研究で著名だった花田圭介先生とのサロン・デ・フローラ(無名哲学者俱楽部)でのよもやま話であったと記憶す…

慧眼!!

全巻読破を目指していて、やや息切れしてしまった講談社版五木寛之小説全集だが、ようやくゴールが見えてきた。後半は、断筆を経て、ある意味同じ系列の再開、再構築といった感を抱くのだが、陰影の深さが増して小説世界の広がりが増しているとともに、たお…

夏・秋のフランス語句会

俳句というと季語を立てなければなりません。俳諧となると「諧謔」の語にも見られるように自由度が大きくなります。かつて土屋文明がパリを訪れハイカイスト達と交流を持った際、通訳にあたった松尾邦之助との間で季語をめぐって論争が起きました。邦之助は…

偶然の一致とは思えない、、、

外出自粛でテレビを見る時間が増えているが、8月30日のNHKBSプレミアムの番組で面白い符合(もちろん個人的にだが)を見つけたので、書きとめておきたい。午後1時からのBS映画劇場の『クリムゾン・タイド』と午後5時半からの『映像の世紀プレミアム選4―英雄…

オランジーナの起源

オランジーナの起源は? フランスの国民的飲料だった orangina サントリー傘下に入り Orangina France そしてSuntory Beverage & Food France となったようだ。あまり起源については気にしたことがなかったが、佐藤賢一の『最終飛行』を読んでいて次の一節に…

昔の北海道のイチゴ売り/深沢七郎より

深沢七郎が『いのちのともしび』(昭和38年)でこう書いている。 六月の末頃、札幌の街はいちごの出盛りである。旅路の果、私は札幌で、このいちごを見て<アレッ!>と目を見はった。東京では、いちごは小箱に並べてつめて売っているのだが、ここでは八百屋…

冬のネット句会から

冬のネット句会から 一人一句 旅行運 凶と出るなり 初神籤 Dans mon premier oracle écrit Le voyage était marqué Très mauvais. <S> 凍れ夜に 米研ぐ媼 背の丸き Une nuit glaciale Une vieille femme lave du riz Le dos arrondi. <T> しばれるや オノマトペ響</t></s>…

半藤一利逝く

文春の時代を画した編集長にして『日本のいちばん長い日』、『昭和史』の著者半藤一利が鬼籍に入った。保坂正康と二人で昭和の暗部を暴こうとしつづけた良心の一人が消えた。それにしても僕らが大学生活を始めたころには「保守半藤(反動)」とあだ名されて…