ブログ トドの昼寝

札幌爺のたわごと

偶然の一致とは思えない、、、

外出自粛でテレビを見る時間が増えているが、8月30日のNHKBSプレミアムの番組で面白い符合(もちろん個人的にだが)を見つけたので、書きとめておきたい。午後1時からのBS映画劇場の『クリムゾン・タイド』と午後5時半からの『映像の世紀プレミアム選4―英雄たちの栄光と悲劇』中のキューバ危機のケネディー大統領である。

符合その1)老練だが歴戦の勇士の軍人と勇気ある若者との衝突

前者では原子力潜水艦ジーン・ハックマン)と副官(デンゼル・ワシントン)、後者ではカーティス・ルメイケネディー大統領である。いずれも核攻撃をめぐる葛藤が描かれている。

符合その2)若者の理性的判断が核戦争を止める。

時代的にはクリムゾン・タイドのほうが新しく、ソ連崩壊で起きた反乱軍による核攻撃の危険性がドラマ展開のきっかけとなっている。この時期まで、潜水艦発射のICBMは手続きは厳重だが艦長がトリガーを引けるようになっていた。無線の故障で原潜と司令部との交信が不可能になるというプロットはいただけないが、二人の名優の演技力でミサイル発射をめぐる確執は緊迫の度合いをいや増しにしていく。もちろんほろ苦いハッピーエンドにはなるのだが、最終シーンはハワイのパールハーバーだ。

ケネディを追い詰めるのはあのカーティス・ルメイである。

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「皆殺しの」ルメイは太平洋戦争末期日本を焦土と化した無差別焼夷弾爆撃の立案と実行を命じた空軍軍人であるが、マッカーサーに対抗意識を燃やしたことでも有名である。彼は年齢からしマッカーサー退役後も空軍を握り、キューバ危機ではソ連に対する核戦略空爆を準備して若い大統領に迫る「大統領、あなたは絶体絶命ですよ」そしてケネディーが返した言葉が「空軍大将、あなたも絶体絶命ですよ」だった。大統領権限が最高のものであることを知らしめ、フルシチョフとのぎりぎりの交渉で譲歩を勝ち取ることになった。

 この二つの番組が並ぶことになった背後に、NHKの番組編成担当の仕掛けがあったのかどうかは分からないが、面白い符合として記しておこう。