ブログ トドの昼寝

札幌爺のたわごと

映画『火口のふたり』と司馬遼太郎

 外出自粛で、映画でもみようかと思い、WOWOWの番組案内を見て、柄本佑瀧内公美の共演の『火口のふたり』(荒井晴彦監督・脚本)を見た。「金鳥」のコマーシャルで色気ありと気になっていた瀧内公美柄本佑の絡み具合を見たいと思ったからだ。柄本明が映画でケンちゃんの親父の声で登場したのには笑った。もっと個人的に笑えたのが、直子(瀧内公美)が結婚する予定の相手が防衛大出の自衛隊員なのと、彼が防衛大へ入るきっかけとなったのが司馬遼の『坂の上の雲』だと分かるシーンだ。しかもパソコンのパスワードも「坂の上の雲」(sakanouenokumo?)ときて大笑いしてしまった。というのも、私の下の息子の友人にほぼ同じ運命をたどったのがいたからだ。彼らが高校生の頃、うちに遊びに来たのだが、私の本棚の『坂の上の雲』を見た彼は「ちょっと借りていいですか?」と言うので、いいよ持っていきなさいと貸してあげた。読み終えたのち返しにきたとき姿勢がシャキッとしていることに気付いた。その後彼は猛勉強の末に防衛医大に見事現役合格、今は医官として大成しつつあるようだ。彼が「ただで医者になる道であり、生き甲斐を感じます」と言ったことを覚えている。司馬遼の影響力恐るべし、秋山兄弟の生き方に共鳴する若者は確実に居る。私は正岡子規の時代を描いた必読書として読んだのだが。