ブログ トドの昼寝

札幌爺のたわごと

ウィーン西駅のホテルにて

septentrional2010-03-01

やられてしまいました。これまで置き引きにあったことのなかった私でしたが、見事にやられました。
後で聞けばウィーン西駅近辺はウィーンでもっとも危険な地区のひとつとか。多分ホテルの周りをうろうろしている私たちに目をつけたプロが隙を窺っていたのでしょう。チェックインに入ったホテルは午前11時の静かな時間帯、掃除をしている従業員とフロント係りそれになにやら交渉中の客一名。後で思えばわれわれを追い越すように入っていった男が一人いたのだが、そのまま奥に進んでいった、と思い込んでしまったようだ。サインを求められ安全だと感じていた私はうかつにもスーツケースの上にバックを置いたままフロントデスクに向かい必要事項を書き込み始めてしまった。手続きが終わりふとスーツケースを見ると、無い!バックが無くなっている。思わず、"On m'a vole mon bagage!"と叫んでいた。フロント係がすぐに反応して監視ビデオを確認しに行った。数分後、「残念ですが、男がバックを持ち去るのが写っていました。警察に届けられたほうがよろしいでしょう......」その後は小一時間探し回って警察署に、「ビデオに写っていたんだけどね......」「毎日何十人、何百人と『盗られた!』とやってくるんだぞ、ビデオを見ている暇などないんだよ。」そうだね、と肯くほかないまま、淡々と手続きは終わった。やはり大事なものは手元から離してはいけないというまことに月並みな教訓しか残らないできごとでした。
それでも死ぬまでには見ておきたかったモーツァルト像を拝すると少しは気も落ち着いた。